後任がいないのは誰の責任なのか
業務を引き継げる後任がいない場合はどうすればいいのでしょうか。「後任がいないのに退職するのは無責任かもしれない」「後任が決まってから退職した方がいいのでは」と悩む人も少なくありません。責任感が強く仕事熱心な人ほど悩むでしょう。「後任が決まるまでは退職しないでください」と引き留められるケースも考えられます。
しかし、そもそも職場が後任を用意する気がない可能性もあります。後任がいないという理由を盾にして、退職する時期を引き延ばしているだけかもしれません。その場合、こちらの責任ではなく職場の責任です。後任を探すのは自分ではなく人事や経営側の仕事です。本来であれば、いつ退職者が出ても滞りなく業務を回せるような環境が作られていなければなりません。後任がいないからと悩まず、自分の将来を大切にして行動することも必要です。
後任がいない場合の対処法
現段階で後任が決まっていない場合は、余裕を持って退職の申し出をして引き継ぎに必要な期間を長めに設けましょう。そうすれば、周囲への負担は最小限で済みます。申し出が早く、引き継ぎのための期間を十分に設けたにもかかわらず後任を用意してくれないのであれば、自分の責任ではないので遠慮せず転職してください。一般的に引き継ぎには1ヵ月あれば十分とされていますが、後任が決まっていない場合はそれよりも早めに準備しなければなりません。業務内容は人それぞれ異なるので、転職に間に合うタイミングを見極めてスケジュールを立てましょう。
後任に業務を引き継ぐ際は、資料を用意してください。誰が見ても分かりやすい内容を意識して作成すれば後々トラブルになることもありません。仕事の進め方や資料の保管場所など、細かい部分まで漏れなく記してください。心配な人は、指名された後任だけでなく他の同僚にも内容を伝えておきましょう。
退職の意思は曲げないこと
上記で述べたように「後任が決まるまでは退職しないでください」と引き留められた際に、職場に気を遣って承諾した場合、また後日同じように引き留められる可能性があります。引き継ぎ期間をしっかり設けているなら、そういった要望に応える必要はありません。きちんと退職日を決めて、同意を得ておきましょう。やるべきことはやって、退職の意思は曲げない姿勢を貫くことが大切です。
なお、後任がいないまま退職した場合でも、職場から訴えられるようなことはほとんどありません。法律や就業規則に沿って退職を申し出て、手続きを進めたのであれば大丈夫です。