口頭のみで伝えてしまう
引き継ぎに失敗する原因として多いのは、口頭のみで伝えてしまうパターンです。大切な情報を聞き逃すリスクが高く、内容の整理もできません。後で確認することもできないでしょう。また、業務が属人化している場合も注意が必要です。自分しか業務のノウハウを持っていない場合、それが引き継がれなければその後の生産性は低下します。基本的な情報だけでなく、言語化されていないノウハウがあるならきちんと資料として残しておかなければなりません。
調整が不十分
周囲との調整が不十分なことが原因で、引き継ぎが上手くいかないケースもあります。各部署や上司に担当者の引き継ぎが行われていることが伝わっていない場合、思わぬトラブルが発生します。当事者だけでなく、関係者も含めて引き継ぎに関する打ち合わせを行わなければなりません。
時間が足りない
退職までの期間が短く、引き継ぎのための時間が足りなくなるケースも少なくありません。前任である自分は慣れている作業でも、後任にとっては初めてのことばかりかもしれません。その点を考慮して段階的に引き継ぎを実施しなければ、時間が足りず中途半端なまま退職することになってしまいます。それによって後任だけでなく職場全体や患者にも悪影響が及ぶ可能性もあります。また、後任が複数いる場合も注意が必要です。その場合は、それぞれの後任に対して引き継ぎをする時間を確保しておきましょう。
後任に指名された人に時間がないケースも考えられます。その場合、自分だけではどうしようもないので、上司に相談して引き継ぎのための時間を確保してもらうなどの対策が必要です。
引き継ぐ相手がいない
そもそも引き継げる相手がいない可能性もあります。後任が指名されていなければ、業務を引き継ぐことはできません。指名された後任が能力不足・経験不足で業務を理解できないケースも考えられます。
引き継ぐ方法が分からない
引き継ぎの手順が分からず、それが原因で失敗するケースも多いようです。マニュアルや手順書がなく、業務を体系的に説明する手段がない状況だと、どう伝えればいいか分からなくなります。その場合は、自身で引き継ぎ用の資料を作成しなければなりません。周囲が助けようにも、前任がどのように伝えようとしているのか、あるいは後任がどの程度理解しているのかまでは分かりません。そもそも引き継ぎの方法についてまでフォローしてくれる人は少ないでしょう。後任としては業務の内容や必要な情報だけでも知りたいはずですが、それすら引き継がれなければ何をすればいいか分からなくなってしまいます。トラブルにならないためにも、引き継ぎのコツやポイントを事前に学んでおきましょう。